『「ダンスとは何か」を体感したい人には必見の舞台である。』(舞踊評論家 海野敏)

男性2人、あまりに素っ気ない動作の果てしない連続。
それなのに飽きない、何が起きるのか目が離せない、いつまでも見ていたい。

ロンドンの小劇場で体験した『イディオット・シンクラシー』は忘れがたい。

イゴールとモレーノの仕草はキュートでお茶目、ときに悪戯っ子のように振る舞い、客席から笑い声が漏れる。ほのぼのと暖かな気分になる作品である。

半世紀前、イヴォンヌ・レイナーというポストモダンダンスの振付家は、

「美観はいらない、美技はいらない、変身や魔法や作りごとはいらない」と宣言した。

この作品のコンセプトは、レイナーに代表されるニューヨークのジャドソン教会派におけるミニマリズムに通底している。

ポストモダンダンスの魂は、ユーモアとペーソスを携えて、ロンドンで軽やかに蘇った。

「ダンスとは何か」を体感したい人には必見の舞台である。(東洋大学教授・舞台評論家 海野 敏)

2014年、ロンドンで研修中でいらした海野先生とは、いくつか楽しい新作をご一緒させていただきました。

その中のひとつが「イディオット・シンクラシー」

数少ないロンドン・プレイス劇場での目撃者のお一人として、推薦文をご寄稿いただきましたので、先ずはブログでご紹介させていただきます。